高血圧
■高血圧とは?
複数回の各来院時に座位で測定された血圧が、常に最高血圧140mmHg以上、あるいは最低血圧90mmHg以上である状態を高血圧と定義しています。現在の基準では、正常血圧は最高血圧が120mmHg未満、かつ最低血圧が80mmHg未満とされています。
120~139/80〜89mmHgは高血圧前状態と定義されています。降圧薬の投与を受けている人は、血圧が正常範囲にあっても高血圧という診断になります。
日本人の高血圧の患者さんは3000万人以上にも及ぶとされ、代表的な生活習慣病(成人病)のひとつになっています。全体では成人男性の約45%、成人女性の約35%が高血圧になっており、年齢とともにその罹患率は上昇しています。高血圧は心血管病の主たる危険因子であり、生命予後に大きな影響を与えることが明らかになっています。
■原因は何か
高血圧には、大きく分けて2つあります。本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)と二次性高血圧(にじせいこうけつあつ)といわれるタイプです。90%程度が原因不明の本態性高血圧で、残りの約10%が何らかの原因で高血圧になっている二次性高血圧です。
二次性高血圧には、腎血管性(じんけっかんせい)高血圧、腎実質性(じんじっしつせい)高血圧、原発性アルドステロン症、クッシング症候群、大動脈炎症候群、大動脈縮窄症(しゅくさくしょう)などによるものがあります。
本態性高血圧は、生活習慣の乱れや遺伝素因、加齢などが相互に関連し合って発症すると考えられています。
症状の現れ方
一般に、高血圧自体が何らかの症状を引き起こすことはないと考えられていますが、軽度の頭痛、頭重感や倦怠感(けんたいかん)などを訴えることがよくあります。これらの 症状と血圧の因果関係は明らかではありません。
ただし、放置すると致命的になる状態の高血圧()では、激しい頭痛、意識障害、けいれん発作、呼吸困難など重い症状を示します。このような状態では、通常、最低血圧が120mmHgを超えています。
二次性高血圧では、原因により特徴的な症状を示すものもあります。
病気に気づいたらどうする
最近は、簡便な自動血圧測定器が市販されており、家庭でも血圧測定が可能になっています。検診などで高血圧の指摘を受ける、あるいは自己測定した血圧値が ガイドラインの高血圧の範囲に入るなら、循環器専門医の診察を受け、高血圧の重症度判定、鑑別診断、治療方針決定などについて相談することが重要です。
なお、自己測定する場合は、測定精度の面から上腕にカフを巻いて測定できる血圧計がすすめられます。自己の測定値は、診察室での測定より低めになる傾向があります。広く合意された家庭血圧の基準はありませんが、135/85mmHg以上は高いと考えるべきです。
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