止血と創処置の原則
出血には動脈性出血、静脈性出血、毛細血管性出血がありますが、生命に危険を及ぼす大量出血は、主に動脈性出血です。動脈性出血の特徴は、真っ赤(鮮紅色)な血液が脈打つように噴出することです。
一方、静脈性出血は、赤黒い(暗赤色)血液が持続的にジワジワとわき出てくる特徴があります。出血量が多いほど、また出血が激しいほど止血を急ぐ必要があります。
止血法(しけつほう)
●直接圧迫止血法
出血部分を直接ガーゼや布きれなどで強く押さえます。通常、ほとんどの出血はこの方法で止血することができます。ガーゼなどは、清潔で厚みがあり、傷口を十分おおうことができるものを使用します。傷口にガーゼや布きれを当てたあと、その上から圧迫を加えます。
片手で止血できない場合は、両手で圧迫したり、体重をかけて止血します。傷口のガーゼを包帯や三角巾で強く圧迫包帯する方法もあります。
●止血帯法
止血帯法は、手足の太い血管からの出血で直接圧迫が困難な場合に用います。
b幅の広い(3cm以上)三角巾や包帯、スカーフなどを用いて、出血している傷口から心臓寄りの上腕か大腿に巻きます。針金や細いひもを使うと、巻いた部分の組織を損傷させてしまうので使用しないでください。
止血帯を強く巻いて止血の効果を観察しますが、不十分な場合は、止血棒を用いてさらにしばりあげる必要があります。止血帯を軽くしばり、その輪のなかに止血棒をとおし、これを回して締めあげます。出血が止まったら、それ以上きつく締めないように気をつけます。
止血帯を使う時は、組織の障害を防ぐために、30分ごとにゆるめて血流を再開させます。出血部位から血液がにじみ出る程度に1~2分ゆるめます。この間は直接圧迫止血を行い、出血を防ぎます。
創処置原則(そうしょちのげんそく)
●感染防止
血液などには感染の可能性があるので、直接触れないようにすることが原則です。
ビニールやゴム製の手袋を使用することが理想的ですが、それがない場合は、ビニールの買い物袋などを手袋代わりに利用しても大丈夫です。
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