
骨粗しょう症とは ?
骨量(こつりょう)(カルシウムなど骨全体に含まれるミネラルの量)の低下と、骨質の劣化によって、骨の脆弱性(ぜいじゃくせい)(傷つきやすいこと)が亢進し、骨折の危険率が増大した病気です。
骨折は骨粗鬆症の合併症で、骨折を予防するために骨量の維持ならびに増加を図ることが大切です。ただし、高齢者における骨折予防のためには、筋力の増強、関節可動域の確保といった運動能力の維持・増進や、転倒防止を念頭においた環境の整備も重要です。また、高齢者の場合は、すでに骨折を起こしていることも多く、その治療とケアも重要な課題です。
骨粗鬆症のタイプ
骨粗鬆症は、大別して原発性(げんぱつせい)骨粗鬆症と続発性(ぞくはつせい)骨粗鬆症とに分けられます。
原発性骨粗鬆症は、明らかな原因となる病気がなくて起こるもので、これは退行期骨粗鬆症と若年性骨粗鬆症に分けられます。そのうち圧倒的に多いのは、加齢に伴う骨量減少を背景とする前者の退行期骨粗鬆症です。退行期骨粗鬆症は、さらに閉経後(へいけいご)骨粗鬆症と男女共通の加齢に伴う骨粗鬆症とに分けられます。
一方、続発性骨粗鬆症は、さまざまな病気や薬物などが原因となって起こるものです。主な原因としては、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)など)、関節リウマチ、糖尿病、胃切除、ステロイド薬の服用をはじめとして多くのものが知られています。
検査と診断
骨粗鬆症の診断は、骨量の評価と鑑別診断の2つの柱からなります。
骨量の評価は、骨塩(こつえん)定量装置またはX線撮影で行いますが、前者の結果を優先します。しかし高齢者の場合は、脊椎(せきつい)の圧迫骨折をすでに起こしている可能性が高いことや、変形性脊椎症などほかの病気を併発していることが多いため、X線撮影も必要です。
現在、日本骨代謝学会による診断基準2000年版が利用されています。現時点では、年齢別の診断基準は設定されていませんが、骨粗鬆症の薬物療法を検討する場合は骨量の低下以外の骨折危険因子も考慮して行います。
治療とケアのポイント
骨粗鬆症の治療は、食事療法、運動療法、薬物療法からなります。加えて高齢者の骨折予防のためには、前述したように骨自体の強度のみならず、運動能力の維持・増進や転倒防止を念頭においた環境の整備も必要になります。
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